ライダーの思いつき

元ブログの調子が悪いのでしばらくはコピーブログとなります。

SOLO(RIDER'S SPIRIT)

すぽ★も (♂) さん記事の最後の3行を見て、むか〜しむかしに今は無きニフティサーブに書いた文章というか雑記みたいな物を思い出し、こちらに転記してみます。  書いたのは15年も前、内容はそれよりも8年前に有ったことです。  う〜ん、23年も前の話しですねぇ、子供が産まれた年の秋ぐらいだったかなぁ?。  それこそ昔は、バイクで死ねれば本望だなんて若い考え方をしていたこともありました。  文章内には、過激な描写が御座いますが、実際には峠のローリング族などの足元にも及ばない、ハエが止まる程度のスピードで必死に速く走ろうともがきながら走っていたものです(^^;)。決して公道レーサーを肯定するものでは御座いませんので、ご理解下さい。  人間、家族や守るものができて落ち着くものなんだなぁぐらいに読み飛ばしていただけたら幸いです。
m(_ _)m
CB750FBです。 気分だけは「バリバリ伝説」のグンちゃん張りでした。 以下、その時の文章です。
 FBにキーを差し込み、チョークバルブを閉じる、セルを回すとインライフォアの心臓が息を吹き返す。少し高めの連続したEXノートが集合管から流れ出す。  フルフェィスを被り、グラブをはめる。スーっと全身の神経が目覚める、チョークを戻すと心地良い断続したEXノートに変わる。またがると軽い緊張感が身体を包む。  「気をつけてね!」と、違和感を、感じる言葉が耳に飛び込んでくる。  軽く手を上げ、車体を起こしスタンドを跳ね上げる、クラッチを切りシフトペダルを踏み込みギアを繋ぐ、重い車体がするすると、前に出ていく。混み始める国道に入り、流れに身を任せ、市街地の車達の中をしばらく流れていく。  「気をつけてね!」っか、なんなんだったんだろうな、さっきの違和感は?バイクの世界は異世界だ、心底、安全を望む奴らは、バイクなんか乗らないであろう、車の危険が、カードで言えばジョーカー1枚だとすれば、バイクは10枚は余分に隠れている。  自分で引く事も有れば、無理矢理引かされる事もある。ライダーは戦地に向かう戦闘機乗りのようなものだ、それを言うなら、GOOD LUCK!(幸運を)だろうが、、、。  多少イラついた気分で、アクセルを絞り込む、グングンと重い車体を加速させる、スピードに酔う?、、、まさか?、ガキじゃ無いのだ、バイクも長く乗っていると、スピードは恐怖でしかない、その恐怖の中で喘ぐのがライダーなのだ。  恐怖に負けた者からバイクを降りていく、「もう若くないから・・」 と言いながら、、、ヘッ、やけに物わかりが良いじゃ無いか、それが思慮分別のある大人ってことかい?、お大事に!ってんだ。  訳のわからない苛立ちに、悪態をついてみる、、、、仲間を失う寂しさだろうか?。  郊外に抜けると、車がぐっと減る、信号待ちから一気に加速させる、溜まってきたストレスが加速させる、心臓が喉から飛び出すような恐怖の中で、家族が頭をよぎった、、、アクセルを戻す自分に愕然とする。  なんてこった、さっきまで感じていた違和感、、、苛立ちの原因は自分の中にあったのだ、、、。  もう、一人ではないのだ、、、と。  山路に入る、次々とコーナーが襲ってくる、古いバイクでそのコーナーを切りつけて行く。  少し前、今のハイテクバイクに乗る機会があった、さすがに切れ味は良いが、つまらん。  ジョーカーが50枚はありそうな化け物を、股ぐらの下にねじ伏せる技術や気力は、もはや無かった、守りに入ってしまったのか、、、これが、、、卒業?。  フルブレーキで突っ込む、壁のような空気が砕け山の肌が襲いかかる、腰をイン側へ移動する、見えない出口を睨みつけステップを思いっきり踏みつけコーナーに切り込んで行く、アスファルトが迫ってくる、クリッピングを奥深く取る、バッっと目の前に現れた木々のトンネルの中を、アクセルワイドオープンで加速していく、次々にコーナーが襲ってくる、それを切り抜ける度に、先ほどからの違和感も、苛立ちもそぎ落とされ、守るべき者の記憶すらも遥か後方に消えていく。  スクリーンを流れていく風景を眺める様な車には、味わえない感覚だ。  ルートを荒れた峠道に向ける、何度もブレークするリアタイヤをなだめながら登って行く。峠の手前の大岩を見つけ、ゆっくりと近づき、緊張感を振り切るように空ぶかしを一発入れ、エンジンを切る。  とたんに静寂が周りを包んで行く、テールにくくりつけた、おにぎりと缶珈琲を取り、大岩を背に地べたに座り込む、煙草を取りだし震える手で口に運ぶ、愛用のオイルライターで火をつけ、煙を肺一杯に吸い込む、静かに吐き出しながら、周りを見渡す、山の木達は、すっかり葉を落とし、冬が近い事を伝えている。  喰い物を胃に送り込み、じっと目の前の相棒を見つめる。  色々な事が、頭を通り過ぎていく、、、長い時間、静かな山の中に身を任せる。  あぁ、もう、こちら側には、来れないなぁと、ふと思った。相棒が寂しそうに、キン、キン、とこたえた。  ひとつの時代が自分の中で終わった、でも決して忘れない、むき出しの我が身をさらしながら、己の技術と相棒への信頼感だけで、危険と恐怖を切り抜けなければならない、RIDER'S SPIRITを、、、。  さて、帰るとするか、人生の相棒とまだ頼りにしてくれる者の待つわが家へ。                   THE END P.S.まだこちら側をさまようライダー達へ・・・・・・GOOD LUCK! また書き込もうって、励みになります。 すいません、↓プチッとお願いしますm(_ _)m。 人気ブログランキングへ