オイルパンドレンプラグ(ボルト)
先回、オイル交換12回目にしてアルミオイルパンのドレンプラグの相手側(オイルパンの雌ねじ)をねじ切ってしまいました。(その後の検証はこちら)
バイクは早い時期からオールアルミのエンジンが主流で、勿論オイルパンもアルミなのでネジの養生に注意が必要でした。最近は自動車も軽量化のためにアルミのオイルパンが増えてきて、特にエンジンが非力な軽自動車はアルミオイルパンになっています。
オイルパンはアルミでもドレンプラグは固い鉄なので、ほんのちょっとしたオーバートルクでも、回数が重なるたびに雌ねじの破壊(金属疲労)が進み、ある時、規定トルクでもネジ山が崩れることは整備をする人の中でも周知されていることでした。
悪い言い方をするとトランプのババ抜きみたいなもので、誰がそのババを引くか?引いたらそこが責任をとらないといけなかったりして、まさにババ抜きだったりします(^^;)。 そうならないために、このハイゼットカーゴ(エンジンKF型)のドレンプラグ(M12XP1,25)は規定締めつけトルクは29.5±5.9N・m(23.6〜35.4)になっていますが、その最低トルク辺りの25N・mで締め付け、数時間走行後オイル漏れの有無を確認し、オイルが滲んでいたら増し締めするという方法が長く養生する方法かと思います。
かと言って、自分で整備する人ならいざ知らず、その後の確認が出来ないお店などは、しっかり締め付けていることかと思います。ダイハツのディーラーのメカニックに確認したところ、「トルクレンチで締めたこと無いから」と言ってましたから、経験から来る感で締めている(通称手ルクレンチ)様でした(^^;)。
その時、修理書で調べて貰ったところ上記の締め付けトルクを教えていただいた次第です。まぁ思うところはありますが、そんなものでしょう。
(レッドバロンは、CB1300SFの修理明細書を見ると30N・mで締めているようです)
前置きはこれぐらいにして、今までの経緯を書きますと、
1.初回から10回まではディーラーにてのオイル交換(締め付けトルク不明)
2.11回目に締め付けトルクがわからず、鉄のオイルパンより弱いと思われる35N・mで締め付け
3.12回目に、ネットで調べ30N・mで締め付けるも雌ねじを破壊する。
4.そのままネジをいじらずディーラーにてオイルパン交換(3万円)
今回はすぐに走れるようにしなければいけないので、オイルパン交換という一番高価な方法をとりましたが、これを事前に解決する方法を考えました。心当たりのある方は参考にして下さい。
今回用意した物はこれ。 左=SUN DC019
オイルパンドレンコック 右=SUN TOOL ST-691-M
SUNTOOLさんは、静岡市の国道1号線を東京に向かって静岡駅をこえてしばらく行った左側にあります。どこでもレンチやユニークなボルト用工具を作っているネジ屋さん(東邦ネジ)です。
上のSUNとは違う会社かな?。
真ん中が新車から?付いてきたドレンプラグです。
ネジ山の長さが9mm程度なので、アルミ相手には短すぎますよねぇ。 メーカーに確認すると「車体番号から首下16mmが付いています!」と、ディーラーの予備ボルトがこれなのか?。
ダイハツ純正ドレンプラグ 部品番号:90043-41087
まずは、SUN DC019から見ていきましょう。 ネジ部の長さで5mmほど長くなります。ネジ径は12mm、ピッチは1.25mmです。
純正部品の有効なネジ山が8mm弱なので、余分に5割以上のネジ山があります。
これをネジ山が削れたオイルパンに使ってみます。
予想としては、8mmほどネジ山がないので残りの5mmでは耐えられないと思ったのですが、、、、
トルクレンチを30N・mにセットします。
お尻のレバーを回して固定してから使いましょう。
トルクレンチに関してはこちら
(使い方のリンクもあります)
持つところに注意しながら静かに締め付けます。
1回目、あれ?大丈夫、、、
2回目、、、
3回目、、、 4、、、5回目
あれぇ?、、、、ねじ切れないぞ。
脱脂してオイルが付いてない状態だから摺動抵抗が多くて?、、、
指定トルクの最大付近35N・mに変更します。 で、締め付けますが、、、、、
1回目、あれ?大丈夫、、、
2回目、、、
3回目、、、 4、、、5回目
あれぇ?、、、、ねじ切れないぞ。
何故でしょうねぇ?。
オイルパン内部にこれぐらい飛び出ます。
と言うことで、新車の時からこのドレンプラグに変えていれば、かつ30N・m以下で締めていれば、今回のような悲劇はなかったと思われます。
予防のためにも、このドレンプラグはお勧めできると思います。
車両は、2009年2月製ハイゼットカーゴ(クルーズ)KF型エンジン。
他メーカーや他車種はよく調べてサイズ間違いがないようにしましょう。
続きましてぇ、SUN TOOLのタップボルトを使ってみます。
一回り太くテーパーに成ってますから、締め付けには力が要ります。 機能としては、一回り大きなネジを無理矢理ねじ込んで新しいネジ山を作ってしまおうという、少々荒っぽいやり方です。
純正のネジが12mmジャストに比べ、
タップボルトは、12.4mmと太いです、、、、もっと太い方が良い気もしますが、、、、
まぁ使ってみましょう。
初っぱなから、35N・mで締めていきます。
1回目、、、 大丈夫です。
オイルパン内部にこれぐらい出ます。
ネジ山が作られてますが、かなり粗いですねぇ。 説明では切り粉の心配はないと書かれてますが、これ切り粉が出ると思います。
この後10回目まで検証しました。
全く大丈夫です。 応急用にも、永続使用にも使えると言ううたい文句はまんざらでも無さそうです。
10回締め付け後のネジ山です。
綺麗に出来上がっていますね。
この後、リコイルでネジ山を再生することも出来るそうですから、やっぱり、再生して強度のあるネジ山を作った方が精神衛生上も良いかと思います。
ただ、リコイルって高いんですよねぇ(^^;)。
寒いので部屋で作業してましたが、タップボルトで削れた切り粉が絨毯に落ちてます。 嫁はんに怒られる前に掃除しておこう。
でもやっぱり切り粉は出ますねぇ。車上でやる場合はグリスなど塗ってオイルパン内に残らないように注意が必要ですね。
【結論】 2009年以前のダイハツKF型エンジン(現行型)は、首下16mmの純正ドレンプラグ(新型)に交換するか市販の長いドレンプラグに交換した方がよいでしょう。 不幸にもねじ切ってしまった時用にタップボルトを準備しておくのも安心できるでしょう。
ストレートはこちらの商品を購入下さい。
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下の商品はアルミオイルパン用では有りません。
以下の商品はトヨタ・ダイハツ用(M12xP1.25 6角対辺14mm)として売られていますが、アルミオイルパン用では有りません。
販売会社の表記ミスと思われます、十分確認の上間違えない様にして下さい。
(写真が違っているだけなら良いのですが、、、)
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